「あれ、こんなにデカかったっけ?」
奈良公園を過ぎて、東大寺。
目に入ってきたのは、想像以上にドーンと構えている仏さま。
「……デカっ」
思わず声が出ました。
小学生の頃、家族旅行で来た記憶はあるんですが、正直あまり覚えていません。
覚えているのは、「とにかく大きかった」ってことくらい。
でも今回は、自分が親の立場。
子どもを連れて、家族で来る東大寺。
同じ場所のはずなのに、
なんだか空気の重みが違うというか、
時間がゆっくり流れているような、そんな感覚でした。
「なんか懐かしいなぁ」
気づいたら、そんなことを考えていました。




鹿だらけ、外国人だらけ、そして柱くぐり
奈良公園から東大寺までの道中。
鹿、鹿、鹿。
一体ここまでで何匹見たんだろう、というレベルです(笑)
子どもたちはテンション高め。
こっちはというと、ふと周りを見渡してびっくり。
外国人、多っ。
聞こえてくるのはほぼ外国語。
「日本語はどこ行った?」と、心の中でツッコミを入れていました。
そして東大寺といえば、やっぱり柱くぐり。
昔は「通った気がする」んですよね。
なので軽い気持ちで息子に言いました。
「柱くぐり、してきたら?」
即答で、
「アホか」
……ですよね(笑)
「大人でも普通に通れるんじゃ?」
そう思っていた自分が甘かった。
あれ、完全に無理です。
体も硬いし、夢も希望も一緒に引っかかります。
でも、そんなやり取りができるのも、今の家族だからこそ。
それが妙に嬉しかったりします。




同じ場所でも、立場が変わると見え方が変わる
小学生の頃は、
「連れてきてもらっている」だけでした。
今は、
「連れてきている側」。
子どもたちは今、何を感じているんだろう。
この景色、ちゃんと記憶に残るのかな。
そんなことを考えながら歩いていました。
仕事でも同じですが、
立場が変わると、見える景色は本当に変わります。
現場で経験を重ねる中で、
「自分がどうしたいか」よりも、
「相手にとってどうか」を考える時間が増えました。
今回の家族旅行は、
ただの観光というより、
「今の自分」を確認する時間だった気がします。
特別なことは何もない一日。
でも、あとから思い返したとき、
きっとこう思うんでしょう。
「あの時の奈良、よかったな」って。
またいつか、同じ場所に来たとき。
今とは違う立場で、
また違う景色が見えるのを、ちょっと楽しみにしながら。
