出会いと共に始まった13年の旅
仕事を始めて間もない頃、手にした1台のハイエース。
あの日から13年、どんな現場にもこの車と共に向かいました。
北は新潟・栃木、南は九州・宮崎まで。時には雪の峠道を越え、時には真夏の高速をひた走る。気づけば、全国あちこちに「この車と行った景色」が心のアルバムに刻まれています。
ドライアイス洗浄の現場は、簡単な仕事ではありません。重い機材を積み、遠くの現場へ走る毎日。そんな日々の中で、このハイエースはまるで仲間のように支えてくれました。
「もう少し頑張れ」と背中を押してくれたように感じることもありました。

積み重ねた時間が“友”になる
思い返せば、ハイエースと過ごした日々には、たくさんの「現場の物語」がありました。
雨の中、ビチョビチョになりながら機材を積み下ろしたこともあれば、真夜中に出発して朝日を見ながら現場に着いたことも。
車内では、次の現場の段取りを考えたり、仲間と笑い話をしたり、時には一人で悔しさを噛みしめた夜もありました。
どんな時も文句ひとつ言わず走り続けてくれた。
トラブルがあっても、不思議と「頼むぞ」と声をかければ応えてくれるような気がしていた。
気づけば、ただの車じゃなく、「相棒」になっていました。
遠く離れた宮崎へも3往復。
その距離の分だけ、思い出も積み重なっていったのだと思います。
そして今日、「ありがとう」を伝える日
別れの日。
ハンドルを握りながら、これまでの景色が一気に蘇りました。
出会った仲間、現場での喜び、達成感、悔しさ、そして笑顔。
すべてをこのハイエースと共に過ごしてきた13年。
いざ手放す瞬間、胸の奥に込み上げてくるものがありました。
「ありがとう」という言葉だけでは足りない。
それはまるで、娘をお嫁に出すような感情に近いものでした。
長い間、共に戦ってくれた“友”への感謝。
ハイエース、本当にありがとう 。

走り続ける理由
車は道具かもしれません。けれど、自分にとってはそれ以上の存在でした。
仕事の相棒であり、人生の節目を共に走ってきた証のようなもの。
だからこそ、この「ありがとう」をしっかり伝えておきたいと思います。
ハイエースが教えてくれたのは、
「どんな時も止まらず前に進むこと」
そして「長く続けることの尊さ」でした。
これから新しい車とまた走り出します。
けれど、あの13年間の思い出は、ずっと心の中に残り続けます。
ありがとう、相棒。
そして、これからも前を向いて走り続けます。
